デジカメ"鉄"使用

永らく銀塩カメラを使っていましたが、速報性にて優位なデジカメも多々使用するようになりました。 鉄道撮影に於いて、銀塩カメラと同じくキヤノン製品ばかり使用しております。
デジカメ(キヤノンの。)といっても、多種多様なものがあるわけですが、私の場合はEOSデジタルは全く縁がなく、もっぱらパワーショットやIXYデジタルを使用しておりますので、以降それらを中心にハナシを展開します。

sorry! only japanese.


デジカメ遍歴

今まで使ってきたデジカメなど。

○最初に導入したのは、PowerShot A50 です。いわゆるコンパクトカメラのデジタル版で、焦点距離は銀塩カメラ換算で28~70mm。意外と広角側もイケます。画素数は130万画素。PowerShot A5 の発展形、PowerShot A5 Zoom の後継機種であり、以降はPowerShot S10 とかPowerShot S20 へと続くシリーズ。ボディーの真ん中にレンズがある、フツーのスタイルをしています。


○次に導入したのは、PowerShot Pro90IS です。10倍ズームに手振れ補正つき。外付けフラッシュ使用可能、マイクロドライブ対応。焦点距離は銀塩カメラ換算で35~350mm。画素数は260万画素。PowerShot Pro70 の後継機種ですが、このPowerShot Pro90IS の後継は今のところ出てこないみたいです。なかなか均整のとれたスタイルで、真上から見た時と真横から見た時の主胴部の造形は好感が持てます。またグリップ部分の質感がなかなか好いのです(これはカタログ等では分からないポイント)が、あまり使い込んでくると薄れてくるようです。結構"鉄"仕様のデジカメだと思うのですが、意外に"鉄"なユーザーは多くないみたいで、匿名の"鉄"な画像掲示板にてうっかり撮影機材など記述しようものなら、あっさりと個人名を特定されかねません。


○三台目は、すっかり電源系がくたびれた感のあるPowerShot A50 の代替というか後継で導入したIXY DIGITAL L です。光学ズームなし、光学ファインダーなしという非"鉄"仕様なのですが、現在使用している携帯電話より小柄なボディーで400万画素という異色?機。色は黒(ピアノブラック)を選び、予約して発売日に購入しました。記録メディアがSDメモリーカードで、携帯電話(DoCoMo P2102V)と共用できます(ただしP2102V は128KBまでの対応)。
(右上がIXY DIGITAL L です。)



デジカメの特性について

デジカメでの撮影と「銀塩」との違い。

基本的にデジカメって、あまり遠くない位置にある静止物を撮るのに好都合な撮影機材かと思います。
逆をとれば望遠で動態物を撮るのは、一眼レフの銀塩カメラの方が上手で、私が使っているようなデジカメは少し劣るのではないか....というのが実感です。
具体的には10倍ズームを搭載したCanon PowerShot Pro90IS なんですが、このピント合わせって、ある程度細かく刻んだステップの位置でレンズを止めているようでして、特に望遠の場合には被写界深度が浅くなることも手伝って、いくら細かく刻んであっても有限である以上、ある一定のレベル以上はピント合わせがラフになってしまいます。
一眼レフの銀塩カメラの場合はピント合わせが微調整可能で、かなりシビアに決められますから、そこでどうしてもこのデジカメの望遠ではピントが甘くなるのではないかと思います。
また、タイムラグの問題があって、ピント合わせをよりシビアに行う機種であればこそ、デジカメのシャッタータイムラグは大きくなり、動態撮影に不向きになります。
....てことは、デジカメは鉄道撮影に向かないってことじゃんか。
(前述の繰り返しになりますが、ここでのデジカメとは、私が使っているようなパワーショットやIXYデジタルを指すので、EOSデジタルならば、こういった問題はないかと思います。なお、35mm銀塩カメラEOSとレンズの互換性があって、焦点距離が変わる件は、人によって是非があるようで、一般的な鉄チャンは焦点距離が伸びるため歓迎の方向が多いよう....焦点距離が変わらないEOS-1Dsって、本体だけで「ひゃくまん円!」近くしますからねぇ。)
とはいえ、光量が少ない時のデジカメは強力な撮影機材であり、(もちろん光量が少ない時の動態撮影は困難ですが。)更には撮影された状態の画像をモニタできる(銀塩では現像されるまで分からない)という大きな特徴による相乗効果もあって、夕方~夜~早朝の駅撮りの場面では有効かと思います。

EOSデジタルは導入したい気もしますが、フィルムスキャナ2台と修繕1回行った PowerShot Pro90IS への投資が回収できていないので、今のところ撮影機材の体制は変わりありません....変わりないと思います。(あえて断定は避けるが。)

デジカメの色表現って、基本はディスプレイとかのように透過画像が基本だと思うのです。だから「印画紙に焼く時のセッティング」と、「ディスプレイで見る時のセッティング」は別物で当然だと思うのです。ちなみに私は銀塩写真でも、最近は滅多に印画紙へのプリントは行っていません。すべて透過画像で見ている状態であります。
で、デジカメで撮られた画像データって、いろいろなパラメータが介在して、自分が得るものになるわけです。銀塩の場合は、フィルムを選ぶことによって、何種類かの(期待する)色味を選ぶことになるわけですが、デジカメの場合は、まず撮って、それから色味を付けるような手順かと思います。
銀塩の場合、色味は予め製品として選べますが、デジカメの場合は、通常、色味は全てユーザー任せですから、不親切?ですよね。(でも、最近買ったデジカメには「すっきりカラー」と「くっきりカラー」と「セピア」と「黒白」の選択肢がありました。画像ソフトにも似たような機能が搭載されているかも知れません。)
で、
これらの前提条件として、使用するディスプレイの色再現性調整をしておかないと、他の人が違うディスプレイで見た時に「スゴい色彩感覚ですネー」なんて言うことになるかもしれません。早い話、ディスプレイにも色味があるわけでして....。

なんだかキリがないですね。

(ちなみに液晶とかよりもブラウン管の方が色が安定しているようです。ブラウン管にもブランドがありますよね。ソニーのトリニトロン、三菱のダイヤモンドトロン。専門メーカーではナナオの製品に定評がありますね。)


デジカメ(コンパクトタイプ)で撮る鉄道写真

コンパクトタイプのデジカメを用いた鉄道写真の撮影方法などについての解説?なんぞをしてみます。

※この項は、PowerShtot Pro90IS 導入に記述したものを、そのまま掲載しています。

通常の撮影において、CanonのEOS-1vを常用していますが、デジカメも持ち歩いています。機種はCanonのPowerShotA50で、基本的にはズームつきコンパクトカメラのデジカメタイプです。
カタログによると、このスペックは以下のとおり。
このデジカメにはプログラムモードが基本的に1つしかなく、シャッター速度は選択できません。露出補正は1/3ステップで可能です(このあたりが、いかにもCanonらしいなぁ。)が、いまいち操作性が良好でないことと、いちいち液晶画面をONするのでバッテリーを長持ちさせるには避けたいところです。
また、測距点はEOS-1vのように複数ありません。中央一点のみです。
さて、地下駅や朝夕における静止体の撮影では不便さを感じることのないデジカメですが、動体を撮影する鉄道写真のように、被写体の動きが速くシャッター速度優先モードを多用する撮影スタイルの中で、このタイプのデジカメを活用するにはどう工夫したら良いでしょうか。

写真1は、成田線で撮影した成田臨の新前橋電車区165系です。(日照の方向により正面がやや暗くなっていますが。)
写真150%縮小

この写真は、トリミングを含む画像処理をした後でして、写真2が撮影時のフル画面です。

写真220%縮小/1280×960

写真2を見ると「シャッターチャンスが早いんでないの?」という印象を持たれるかもしれませんが、これは意図的なものです。即ち、測距点が中央1点のみなので、日の丸構図で撮りました。
また、デジカメにおいてシャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでのタイムラグは、35mm版のスチルカメラのそれと比べて大きいので、被写体が画面に入り始めてからシャッターボタンを半押し→押下したのでは間に合いません。従ってカメラを構えて被写体が接近してきたらシャッター半押しでピントを固定してしまい、シャッターチャンスが来たら気持ち早めにシャッターを押下して撮るのです。

ところで、前述の通り私の常用カメラはEOSなので、撮影時には三脚にプレートを付けてデジカメと2台で構えています。EOSの方は先に構図を決めてレンズのAFスイッチを切り置きピンしていますから、レリーズするだけですが、デジカメの方ではこのような置きピンができません。
ここで気を付けなければならないのは、シャッター半押し時からシャッターを押下するまでにデジカメの構図を変えることができないということです。故に、シャッター半押し時とシャッターを押下する時とで、同じ構図にて構えなければなりません。(デジカメ1台だけを構えている時には可能ですが。)
すると、写真2のような構図を始めからノートリミングで得ようとすると、測距点は築堤の上空を抜け、ピントが合いません。また明るい空の占める面積が広いので、被写体が暗く写る可能性があります。
そこで、あえて写真2のようにカメラを構えるわけです。ピントは被写体の先頭付近で合いますし、空の面積もどちらかというと広くはならないのです。
踏切が鳴り出したら、デジカメのメインスイッチをONし、シャッターを半押しすると被写体先頭付近の築堤にピントが合います。そしてここぞというシャッターチャンスより気持ち早めにシャッターボタンを押下し、同時にEOSをレリーズします。
もし万が一、デジカメのシャッターチャンスがワンテンポ遅れても、日の丸構図なので、被写体の先頭が画面からはみ出て欠けることはありません。また、EOSの方は大事をとって連続モード(モータードライブ)にて2~3コマ撮っておきます。
なお、予めトリミングすることを前提に、画像の記録モードは「精細(ファイン)」にしておきます。画角はあまり広角でない方が被写体ブレをしません(特に日照の少ない時には注意)。そうそう、デジカメに三脚(の雲台)取付け用の穴は必要です。

鉄道写真においては、トリミングすることを嫌う傾向にありますが、ことデジカメでの撮影においては多用されるべき手法であると考えます。

※...とか何とかいいつつ、結局2001年3月末に Canon PowerShot Pro90IS を買ってしまいました。10倍ズーム+手ブレ補正、P・Tv・Av・Mの各撮影モード、置きピン可能と、鉄道撮影にも使えるデジカメなんですが、もはや製造中止でカタログには載っていません。

※...A50のバッテリーが疲れてきたこともあって、2003年10月には代替で Canon IXY DIGITAL L を購入しました。光学ファインダー無し・光学ズーム無しと、おおよそ鉄仕様のデジカメではない(?)のですが、えらく小さい。携帯電話ドコモP2102Vと大して変わらない大きさ。ちなみに400万画素。(Canon PowerShot Pro90IS は260万画素)




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